放送法の縛りもなし 地上波TVがネット放送に駆逐される日
世界的潮流でいえば、ドラマはすでにネットがテレビを凌駕。日本でもネットフリックスは又吉直樹の芥川賞受賞作「火花」をオリジナルドラマ化して、話題になったものだ。芸能プロデューサーの野島茂朗氏が言う。
「日本でネットドラマを最初につくったのはホリエモンこと堀江貴文氏です。若槻千夏主演の『NO NAME』で、アイドルのイメージビデオの延長線上にあるような作品。当時は、配信環境が今ほど整備されていなかったこともあって、アイドルファンにターゲットを絞り、DVDとあわせて販売というビジネスモデルだったと思います。その後、この作品と同じ香月秀之監督の制作会社が、人気少女まんが『愛してナイト』の実写版を制作。これは、漫画コンテンツのファン層をつかんでヒットしました。こうした黎明期から、ブログなどでユーザーをつかんでいったのがアベマTVのサイバーエージェントなんです」
芸能リポーターの城下尊之氏はこう言う。
「ネットドラマも良い作品をつくらなければ見られないのは同じ。動画配信サービスの会社は予算もあり、力を入れていますが、結果、つまり視聴者を楽しませることができなければ、即打ち切りという世界。そのために今後、どれだけ手慣れた監督やカメラマンらを集めていけるか、どれだけ新機軸を打ち出せるかがポイントだと思います」