「キャスティングが決まらないと書かない」伝説の真相は
倉本氏はドラマの撮影が始まる前、役者たちが集まって行われるホン読み(台本の読み合わせ)にも立ち会うという、多くの脚本家とは一線を画すスタイルを貫いてきた。キャスティングについても口うるさいといわれるが、真相はいかに。
碓井 「倉本伝説」として流布していることのひとつですが、キャスティングが決まらないと書かないんだと。実際に先生がキャスティングに関与しているってことですか。
倉本 プロデューサーには相談しますが、僕自身が決めるわけではありません。2005年放送の「優しい時間」(寺尾聰主演、フジテレビ系)のあたりからは若い役者について全く知らないですからね。主要キャストを担ったニノ(二宮和也)も、長澤まさみも知らなくて、「タレント名鑑」を見せてもらいました。昨秋行われた東京ドラマアウォード(「やすらぎの郷」で脚本賞)の授賞式でも、新垣結衣を知らないから、「あの人誰」って聞いたぐらいですから。
碓井 ガッキー、泣きますよ(笑い)。となると、プロデューサーへの相談はどのようになさるんですか。