なぜ巨人は1点差に弱い? 評論家は“一発頼み”を指摘…「阿部野球が浸透していない」
巨人が前カードの阪神戦で3タテを食らい5勝4敗。首位から陥落した。
開幕2カードはヤクルト、中日に5勝1敗の好スタート。独走気配が漂ったものの、阪神戦で勢いが止まった。これまでの4敗中3敗が1点差である。
チーム防御率はリーグトップタイの2.33。先発2.20、救援2.53といずれも好成績だ。昨オフに中日から絶対的守護神のマルティネスを補強。リリーフ陣は盤石だけに、問題は攻撃陣だろう。
といっても、チーム打率.280はリーグで断然のトップ。ヒットを打ちまくっても1点差に弱い──。
巨人の元バッテリーコーチで評論家の秦真司氏がこう指摘する。
「巨人の試合運びを見ていて、併殺の多さ(8=リーグワースト)とチャンスで一本が出ないのが気になります(得点圏打率.247=同4位)。巨人は長年、狭い東京ドームで一発頼みの傾向があったため、どうしても引っ張りたい打者が多い。これも得点圏打率の低さと関係あるのではないか。必ずしも犠打が決まらないわけではないが、6日の阪神戦で0-1の七回無死二塁から増田大が痛恨の送りバント失敗。1死一塁になって次の門脇は、初球のど真ん中のストレートを見逃した。阪神バッテリーは俊足の一塁走者・増田大を警戒する場面。直球で入ってくる確率が高いにもかかわらずです。阿部監督がやりたい、場面に応じた細かい野球が浸透していない気がします」