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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

コロナ禍に定着した“受診控え”で進行がんになる悲劇

公開日: 更新日:

 コロナ禍が明けて2年あまり、生活はコロナ前の状態に戻っていると思いますが、皆さんの受診スタイルはいかがでしょうか。これについて気になるニュースがネットに掲載され、注目されています。その内容は以下の通りです。

 ピアニストの竿下和美さんは2023年、「風邪かな」と思って受診したところ、肺炎との診断で治療を受けたものの、よくならず、改めて精密検査を受けて、ステージ4の肺腺がんが判明したといいます。実は竿下さん、その2年前の定期健診で「肺に要確認の影」を指摘されていたようですが、コロナ禍による受診控えで受診をためらっていたそうです。その間にがんが進行してしまいました。

 私の知人にも、同じような悲劇が複数起きています。いずれも、コロナ禍の受診控えでがんが進行したのです。

 実は、このような悲劇が相次ぐ可能性は、コロナ禍に受診控えが定着したときから予想されていました。そのため横浜市立大病院の研究グループは、消化器系のがんの診断についてコロナが流行する前と流行期を比較する研究を実施。流行期は20年の1期と21年の2期に分けています。

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