「神激」ライブで沸きまくり 若いオタクの輪に入る楽しさ
神使轟く、激情の如く。「NEO激」(6月11日、渋谷Glad)
アイドルライブの楽しみにはいろいろあるが、ひとつには客席で思い切り沸く(盛り上がって騒ぐ)ことがある。今回紹介するのは、「神使轟く、激情の如く。(略称・神激)」。ちょっと変わったグループ名だが、沸きたいオタクに最近評価が高い。この日は筆者がお気に入りの「NEO JAPONISM」とツーマンライブということで、渋谷へ急いだ。
「神激」は昨年9月にお披露目。その後メンバーの入れ替わりがあり、現在は5人で活動している。センターの生牡蠣いもこ(イクッがきいもこ・担当カラー=青)は、黙っていれば美女だが、名前の通りの下ネタ担当。実久里ことの(じっくりことの・白)は、だてメガネがかわいいリーダー。心温なぎさ(ここあなぎさ・赤)はダンスで魅せ、魔城もも(ましろもも・ピンク)は少しぽっちゃりのかわいいタイプ。新メンバーの涙染あまね(るいせんあまね・紫)は、かわいいが少々どんくさい印象で、そこが魅力的だ。
特徴的な芸名でわかるように「神激」はサブカル色が強く、曲もいわゆるアイドルソングとはひと味違うミクスチャーポップで、転調が多い。そんな曲に合わせて、リーダーのことのをはじめ、メンバーがあおりまくる。代表曲「G.O.D」では、ことのが「ことのを好きって聞かせてほしい」と言うと、オタクが声をそろえ「超絶大好き大好きことの」といった掛け合いがメンバーごとに用意されている。「宣戦布告」という曲では推しのメンバーを指さしてジャンプするように言われたかと思えば、「ツーステ!」の掛け声で客席のオタクがいっせいにツーステップを左右に踏んで踊る。さらに、大サビ前では、メンバーが客席に降りてきて、オタクがサークル(輪になって肩を組む)を作るのを先導する。サークルに入るのを躊躇している女性のオタクを、メンバーと一緒に輪の内側に入るように導いたり、今日来たオタクを楽しませようという目配りが凄い。この日初参戦の筆者はサークルに加わらなかったが、後日見に行ったときは、いもこに腕をつかまれてサークルまで引っ張っていかれた。若いオタクの輪に入ってみるととても楽しかった。
「神激」は年齢を公表していないが、これまで筆者が紹介してきたアイドルと比べると少し上で、堂々とお酒が飲める年齢のはず。デビュー半年とは思えないステージでの余裕は、そのたまものかもしれない。大人なアイドルもいいものだ。
(中年紳士オタクM)