「リプリー」(1999年、米国)
だれしもセレブな生活に憧れる。1950年代の米国で、貧しい真面目な青年リプリーは、パーティー会場でピアノを弾くのがバイト。その演奏を聞いた大富豪の夫妻は、ピアノマンが自分の息子と同じ名門大のジャケットを着ていたことから、同窓生と勘違いしたため、リプリーは富豪ライフに引き込まれる。
夫妻の依頼は、イタリアで女遊びにふける息子を連れ戻すこと。バイト料1000ドルに加え、イタリアへの渡航費も支払うという。
憧れの地イタリアで、息子と知り合ったリプリーは、息子の家に居候しながらぜいたく三昧な生活に溺れていく。いつしか家主に心を寄せると、「寄生虫」と罵られて、発作的に殺害。息子に成り代わって、ゴージャスライフを続けるべく、殺人に殺人を重ねていく。
そんなときに出会って好意を抱いた青年に、内心を吐露した言葉だ。
仏の名作「太陽がいっぱい」と同一の原作で、その原作を忠実に再現した本作は、富豪の息子をジュード・ロウが演じるほか、息子の恋人はグウィネス・パルトロウ。さらにケイト・ブランシェットやフィリップ・シーモア・ホフマンらキャスティングがぜいたく。若かりし頃のハリウッドスターの熱演がいい。