「TOKYO IDOL FESTIVAL」今や地下アイドルの活動目標の場
アイドル界の夏のお祭り「TOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)」が今年も8月3日から5日までの3日間開催された。
「世界最大のアイドルフェス」と銘打つだけあり、207組、1315人のアイドルが出演した。お台場周辺に用意された8つの会場で、朝から夜まで、アイドルが入れ代わり立ち代わりステージを披露。今年で9年目、年々規模は大きくなり、昔のように出番を終えたアイドルが隣を歩いているような牧歌的な雰囲気はなくなった。筆者のまわりでも「TIFは昔ほど面白くなくなった」という声をよく聞く。
それでも、3日間で延べ8万1000人(公式発表)のオタクが足を運んだ。筆者は8月4日に参戦、15組のステージを見ながら思った。今のTIFの存在意義とは何なのか。それはおそらく「地下アイドルの、現実的な活動目標」だということだ。
たとえば、筆者が14時ごろに見た愛媛県のアイドル「たけやま3・5」。「驚異の顔面偏差値!」がキャッチフレーズの、モデル4人組によるエンタメガールズバンドだ。ドラムの脇田穂乃香(16)が2曲目からはドラムセットを離れ、ボーカルの武田雛歩(19)と並んで歌いだしたのはちょっとびっくりした(笑い)。筆者はギターの濵邊咲良(17)が好みだが、彼女はコードが気になるようで、ずっと自分の左手を見ていた。デビュー10カ月のキャリアだが、本人たちいわく「初めてのTIFで、とても緊張しています」。「ワン、ツー、スリー、フォー」の掛け声が少々ぎこちなかったのも、「TIFに出る」という目標をいまかなえている緊張が伝わってきた。初々しいステージがかわいかった。