在りし日の若松プロを映画に 愛弟子だった白石監督に聞く
製作発表の直後から話題の一本が13日から公開となる。2012年に76歳で亡くなった若松孝二監督とともに映画に青春を捧げた、若松プロダクションの面々による群像劇「止められるか、俺たちを」だ。メガホンを取ったのは、20歳で若松門下となった白石和彌監督(43)。初期の若松プロで活躍した先輩たちと一緒に腹を抱えてげらげら笑った、在りし日の出来事を熱量たっぷりに描いている。
門脇麦が演じる主人公の吉積めぐみは、実在した女性。21歳で若松プロに参加した直後から「女学生ゲリラ」「処女ゲバゲバ」と2本同時撮りの現場に入る。ピンク映画の仕事を覚え、その後は自身の監督作品も手がけるが、買い手がつかず、お蔵入り。1971年に23歳の若さで謎の死を遂げている。
白石監督は、弟子入りした年齢も含め、「めぐみさんと僕は似ている」と言う。
「助監督として現場入りするなり大失敗し、激怒された経験も同じ。入った時期が違うので若松さんの年齢も違いますが、背中の見え方や怒られ方、感じたものは違わないはず。めぐみさんを主人公にするのは描きやすかった」