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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

吉村崇の見事な“さばき方”で不穏な空気は笑いに変わる

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 ドッキリは説のタイトルどおり、生中継に“ヤバい”不審者が現れるというもの。吉村は男と目が合うと、「おー!」と一瞬驚きつつも、すぐに「いやいや、素晴らしい!」といつものハイテンションに戻り、自然に男の肩をつかみ動きを制していく。男が突然「あーーー」と奇声をあげれば、「おー、よしよし」と抱き寄せる。

 中継が再開され、不審者が手に角材を持って再び現れる。そこで冒頭の言葉を言いながらカメラを空に向けさせ、その間に角材を奪う。吉村は最後まで笑顔とハイテンションで乗り切り「もうこちら、大盛り上がりということでございます!」と締めくくった。

 不審者が周りに危害を加えないように配慮しながら、その不穏な空気を伝えつつ、笑いに変える見事なさばき方だった。

 養成所時代、ボソッとしゃべったり、振られてエッジのきいた一言で笑いを取ろうという人が集まっていた。吉村もそのひとりだった。だが、その最高峰には同期の又吉直樹がいた。

「その競争に負けたから、いまみたいなキャラになった」(NHK・Eテレ「オイコノミア」18年3月21日)

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