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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

イッセー尾形の役作りはわずかなヒントからリアル生み出す

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「世の中、10のうち10の真実なんかないしねぇ。9の真実に、1つのウソが交じって何がおかしい」(イッセー尾形/NHK「未解決事件」9月8日放送)

 日本中に大きな衝撃を与えた未解決事件を徹底検証し、ドキュメント編とドラマ編を制作するNHKの「未解決事件」シリーズ。このたび放送された第7弾では、1995年に発生した「警察庁長官狙撃事件」を扱った。長官狙撃を自供しながらも逮捕に至らなかった中村泰受刑者をドラマ編で演じたのが、イッセー尾形だ。劇中でイッセー扮する中村の語ったセリフが今週の言葉である。

 イッセーが演じているという1つのウソがあったとしても、他のことは全て真実ではないかと思うほど、ホンモノの中村が乗り移ったかのようなリアリティーだった。彼を取り調べる刑事を演じた國村隼も「本当に、演じていてもね、何が出てくるかわからない」「やってて、あれほどドキドキしたのは、久しぶりというか、ちょっとはじめてだった」「怖かった」(ほぼ日「ほぼ日刊イトイ新聞」18年9月11日)と語るほど、実在感とすごみがあった。

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