ロシアの“最先端ロボット”より笑える「ロボジー」の頑固爺
本作の鈴木は「おてもやん」を踊り、家族も閉口する頑固な老人。そんなしょぼくれた爺さんが、「鉄腕アトム」のように自分で判断する最新鋭ロボットの正体というのがミソ。ロボットと爺さんが合体したので「ロボジー」なのだろう。
単純なストーリーだが、矢口監督にかかると一級のコメディーになり、とにかく笑わせてくれる。濱田たち開発トリオの困惑と「昭和枯れすゝき」の哀愁めいたメロディー。白バイの先導でイベント会場に到着するニュー潮風の威風堂々ぶり。鈴木の娘・春江(和久井映見)のふくれっ面と親思いの涙。ニュー潮風の来宅に大喜びする孫たち。そして張り合いを取り戻す鈴木。いずれも最高の演技だ。開発トリオの長井を演じた川島潤哉が特に光っている。
引っ込みがつかなくなった3人を待ち受ける結末はお見事。ラストの葉子と鈴木のやりとりはさわやかな笑いを誘う。日本が世界に誇るコメディーの傑作。ロシア映画界は本作をリメークしてはどうか。
(森田健司)