「大統領の陰謀」 米国民はニクソンを追い詰めたが…
1976年 アラン・J・パクラ監督
B・ウッドワードがトランプ政権の暴露本を書いて騒ぎになっている。国防長官のマティスがトランプを「小学5年生程度の理解力」とケナしたそうだ。
ウッドワードは「ワシントン・ポスト」でC・バーンスタインとともにウォーターゲート事件を暴いた記者。今年は事件のディープスロートだったFBI副長官を描く「ザ・シークレットマン」や事件につながる「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」が日本公開された。3本まとめて見ると面白い。
ストーリーはご存じのとおり。72年6月、ワシントンのウォーターゲートビルにある民主党本部に男5人が盗聴を目的に侵入して逮捕された。ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は彼らの裁判を取材。背後に大きな力があることに気づき、バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)とともに調査に乗り出すのだった。
まるで探偵映画だ。序盤は電話取材が中心。あちこちにかけるうちにホワイトハウスにつながるルートがあぶり出される。相手の嘘から疑惑を強める展開が面白い。中盤はニクソン大統領再選委員会の不審な資金に着目して関係者を個別訪問。ところが誰もが「知らない」の一点張りだ。そこを粘り強く交渉して固い口をこじ開ける。