ボクシング連盟に「ロッキー」の崇高な精神を学んで欲しい
1976年 ジョン・G・アビルドセン監督
日本ボクシング連盟の内紛を見ていたら、本作を思い出した。日本公開から41年になる。早いものだ。
ストーリーはご存じのとおり。三流ボクサーのロッキー(シルベスター・スタローン)は高利貸の取り立てを手伝うやさぐれ男。彼の生き方にトレーナーのミッキーは愛想を尽かしている。ロッキーはペットショップの従業員エイドリアン(タリア・シャイア)にご執心だ。そんなロッキーが世界チャンピオンのアポロ(カール・ウェザース)から対戦相手の指名を受けた。試合までわずか5週間。ロッキーは猛訓練を開始するのだった……。
「挑戦」の映画だ。無名役者だったスタローンは妻とともに3日間でこの脚本を書きあげた。眠くなると互いをビンタしたという。劇中ではロッキーがチャンピオンに挑み、老いたミッキーは世界戦のトレーナーのチャンスを与えられる。内気な性格のエイドリアンはロッキーに人生を懸ける。
生卵をごくごく飲み、ジョギングするやすぐにバテてヨロヨロになるが、訓練を積んで全力疾走できるまで回復。リングでは強打を浴びながらひたすら立ち上がる。結末を知っていても興奮させられる名作。エイドリアンの名を呼び続けるラストが実にいい。