たけし「何百億も取られちゃう」発言は絵空事ではない
まあ、長く別居している中、たけしが自分の事務所をつくるまでは、ギャラはオフィス北野を経由し、夫人の会社と長男の会社に支払われてきた。たけしは、夫人の会社から2ケタ少ない額の給与が渡されていたという。それが「何百億円」にもなっていた。もう十分だろうと、たけしが考えても不思議はない。
その一方で、ここ数年たけしを支え、パートナーとして独立した女性マネジャーに「できるだけのことはしてやりたい」と思った結果が現在の状況ではなかろうか。
僕がこの業界に入ったばかり、スポーツ紙で記者デビューした時のことが思い出される。正月紙面のメインに、第1次漫才ブームのトップに立ったツービートのインタビュー記事を書くため、飲食店の個室で先輩記者と共に待っていた。時間ピッタリにマネジャーと姿を見せた彼は、「すみません。相方が遅刻します。ちょっと人気が出てスポーツカーを買ったんで、やめろってのに自分で運転してるんです」と深々と頭を下げたものだ。
その後、何度も会見などに行っているが、本質的にたけしは自分の関わった人の立場や気持ちをちゃんと考える人だと思う。そういう中で自分の関わってきた人に愛情を持って生きてきた。
それが現在の状況を生んでいる。離婚が成立すれば、法律上、夫人の手元にある100億円以上ともいわれる資産の半分の請求権がたけしにできる。「何百億も取られちゃう」ということは、財産分与を求めないという意思だろう。