社長の本物志向が浸透 小栗旬は「トライストーン」で開花
「女優の性格から生理日まで把握していた。そこまで理解していないと意思疎通は図れない。24時間、女優のためなら駆けつける。そんな覚悟でやっていました」
名俳優に名マネジャーありといわれるゆえんである。いかにお互いを理解できる関係を構築するかが、俳優・事務所の成否を左右する世界でもある。
1993年に創設された「トライストーン・エンタテイメント」は新たな形の事務所として業界内からも注目されていた。社長は映画プロデューサー・山本又一朗氏。若き日のハリウッドのプロデューサーとの出会いをきっかけに映画製作の道に進んだ。ドラマ「子連れ狼」や映画版「ベルサイユのばら」など数々の作品の企画から制作を担当した名プロデューサーである。その延長で自ら俳優を育てようと立ち上げた。経営方針も、「本物志向のマネージメントをモットーに、俳優やミュージシャンを育てる」とうたっている。
「芸能界はプロの集まり。本物は当たり前なのに、あえて本物志向と力説するのは、今の芸能界にある種の警鐘を鳴らしているようにも聞こえた」(某芸能プロ幹部)