社長の本物志向が浸透 小栗旬は「トライストーン」で開花
東宝芸能など俳優を専科とした事務所は芸能界における専門店のような立ち位置にある。総合プロと違い少数精鋭で活動している事務所も多い。従来の芸能プロの創設者はバンドマン出身に始まり、今は2代目から叩き上げのマネジャーの独立組が大半を占める。
俳優専科は現役俳優が立ち上げるケースが主流だった。三船敏郎・萬屋錦之介・勝新太郎と、そうそうたるスターが専属制の映画会社から独立。スターを慕う裏方らも集まった。スター俳優のブランド力で一時は人気を博したが、芸能プロ経営は素人感覚。金銭問題なども絡み消えていった。残っているのは石原プロぐらいである。
「俳優が芸能プロをやる場合、経営を任せられる信頼できる参謀が必要。石原プロには“小政”と呼ばれる専務が番頭として経営からドラマ制作まで陣頭指揮したことで、うまくいった。俳優とマネジャーは全く別な仕事。俳優という投手を理解できる捕手のようなマネジャーが理想です」(映画関係者)
かつて三船プロ出身のマネジャーが立ち上げた芸能プロがあった。多岐川裕美ら女優を抱えていたが、親交のあった男性社長はこう言っていた。