シェフがアーティストに フジ「料理の鉄人」は料理番組に革命を
「『料理の鉄人』で、料理番組に革命が起きました。それまでは『きょうの料理』(NHK)や『世界の料理ショー』(テレビ東京系)などのように、作り方を説明しながら、料理を作る番組が主流でした。しかし、この番組で、料理人同士が対戦をする新しい形ができたのです」
中華の陳建一、フレンチの石鍋裕、和の道場六三郎ら、国民的人気シェフがこの番組から輩出された。
「収録スタジオも変化しました。大きなキッチンがスタジオになったキッチンスタジアムや、鉄人の肖像画が飾られているのも、今までの料理番組にはなかったことでした。解説はナレーションではなく、バトルの実況中継をするように、実況を福井(謙二)アナウンサーが、キッチンからのリポートは太田真一郎さんが担当しました」
鹿賀丈史が派手な舞台衣装に身を包み、「アレ・キュイジーヌ!」と高らかに声を上げ、鉄人と挑戦者の料理対戦がスタートだ。
「のちに道場さんご本人から聞いたのですが、『あの番組が始まるまで我々は、ただの料理人、あるいはコックと呼ばれる普通の仕事人でした。それが“食”を生み出すアーティストになりました。昨日までメシ屋のオヤジだったのが有名人になり、写真集まで出すような人も出てきたくらいです。全て“料理の鉄人”のおかげです』とおっしゃっていました」