テレ朝“芸能人格付けチェック”の躍進で露呈したフジの凋落
ある年に一度、木村さんがこの正月番組のナレーションを休んだことがある。休んだだけでなく、裏番組のナレーションをやったのだ。
「その年は格付けとクイズ・ミリオネアの正月特番が裏表でカブってしまったのです。もともと私は格付けが始まる前から、レギュラーで毎週ミリオネアを担当していたし、MCは我らがみのさんです。そんなこともあり、この年、私は格付けチェックではなく、ミリオネアに出ることを選んだのです」
その頃ミリオネアの視聴率はやや下降気味だった。
「もちろん全身全霊を込めながら必死にナレーションを入れました。しかし結果は、視聴率で格付けチェックに負けた。番組視聴率も2桁に届かなかったくらいでした。これは平成全体を通じて、テレビ界に起こったパワーバランス大逆転の象徴と言ってもいいくらいです。すなわち絶対王者フジテレビが失墜し、テレビ朝日が復活したということです」
平成というスパンでテレビを見渡すと、初期の頃は、フジテレビは元気で他局に負けるなど想像すらできなかった。しかし、「平成も半ばをすぎる頃、すでに絶対王者フジテレビの牙城は崩れ始めていました。そしてあの『ジリ貧』とまで揶揄されていたテレ朝が復活を果たしたのです。一時はもう何をやっても視聴率が上がらずに、冬の時期を耐えていたテレ朝でしたが、その後、平城隆司氏(編成局長)の活躍などもあり『黄金伝説』や『Qさま!!』などのヒットを飛ばしました」。