濃密なサスペンスホラー「山犬」で際立ったAKB48の個性
脚本・演出が劇団鹿殺しの丸尾丸一郎(原案=入交星士、音楽=オレノグラフィティ)、出演がAKB48とダンス集団コンドルズ。まさに異種格闘技だ。
卒業して10年目の高校同窓会の前日に、「私たちが埋めたタイムカプセルを一緒に掘りに行きませんか? ハマダマコト」と書かれた一通の手紙が届く。
しかし、元合唱部の顧問・服部(オレノグラフィティ)と部長の直子(谷口めぐ=AKB48)、雲雀(太田奈緒=同)には差出人の名前に記憶がない。
不審に思いながらも手紙に導かれるようにタイムカプセルを埋めた学校の裏山へ向かう。しかし、カプセルの中には、一握りの骨片とハマダマコトという名札が入っているだけ。
恐怖にかられ、逃げようとするが何者かに襲われて山小屋に監禁されてしまう。
時々響く「死ぬ気で思い出せ」の声。
食糧もなく、飢えて衰弱する3人。誰かが過去を思い出す度、差し入れされる食べ物。それは、かつて高校の食堂で働いていたが猟奇バラバラ事件の犯人として極刑になったインド人コック(丸尾丸一郎)が作っていたのと同じ味のカレー。