講談師・神田蘭さん 貧乏時代に悩まされたのはガマガエル
■去年真打に昇格 講談だけで食べていけるように
そこには約6年間住んでいました。その頃は養成所を卒業して、事務所に入ったのですが、お芝居一本でやっていくってやはり難しい。20代半ばまでアルバイトというのも情けない、本当に嫌だな、食べていける仕事がしたいといつも思っていましたね。
そんなある日のことです。初めて寄席を見に行ったら、これはすごい技だと。一人芸の講談に圧倒され、演芸スクールに通うようになりました。プロとして一枚看板で勝負をしてみたいから、勇気はいりましたけれど、エイッ! という感じで。でも、講談をただ学んでいるだけなら、“趣味・講談”になってしまうので本気でやりました。
前座修業を始めて、そんなにギャラは高くないから余裕はないけれど何とかやっていけるようになった。
二つ目になり、去年、真打ちに昇格し、今はおかげさまで講談だけで食べていけるようになりましたけど。もっとも、サラリーじゃないから日雇い労働者みたいなものですけど。