坂口健太郎「イノセンス」暗いキャラと能力ギャップが魅力
今期は3本の弁護士ドラマが並んだ。すでに終了した「スキャンダル専門弁護士 QUEEN」(フジテレビ系)と「グッドワイフ」(TBS系)。そして今週が最終回の坂口健太郎主演「イノセンス 冤罪弁護士」(日本テレビ系)だ。
坂口が演じている黒川拓は、同じ弁護士でも「QUEEN」の氷見江(竹内結子)のように勝つためには嘘も辞さないタイプではない。また「グッドワイフ」の蓮見杏子(常盤貴子)みたいな完璧主義者でもない。静かで人見知り。事務所でも「一人で考えたいので」と自室に閉じこもることが多い。確かに徹底的に考え抜かなければ、裁判官が下した有罪判決をくつがえす「冤罪弁護」など出来ないかもしれないが、相当暗い。そんなキャラクターと弁護士としての能力とのギャップが黒川の魅力だ。
これまで黒川は、会社の同僚を殺害した容疑で逮捕された女性や、練習中の事故が業務上過失傷害だとして起訴されたフェンシング部の顧問などを救ってきた。細部を見逃さない目と論理的思考、さらに科学的な検証にも労を惜しまない仕事ぶりの成果だ。
一方、黒川は11年前の事件を重いわだかまりとして抱えている。殺人者とされた幼なじみが、冤罪を主張しながら獄中で自殺したのだ。最終回には、ドラマの当初から底流にあったこの事件の真相も明らかになる。