ピンク・マルティーニとコラボした「1969」が世界でヒット
その時に、ポートランドでトーマスがプロデュースする震災のためのチャリティーコンサートが開催されることを知り、「私もそこへ行って歌うのはどう?」と話がまとまり、急きょアメリカへ行くことに。とにかくアメリカに行ってトーマスに会おうと思い立ちました。
コンサートの当日はトーマスのピアノで「赤とんぼ」や「故郷」を歌いました。もちろん「夜明けのスキャット」もね。そうして「1969」のレコーディングの約束をすることができたんです。おかげさまでその年の10月に発売・配信して世界中でヒット、ジャズチャート1位となり、ビックリすることが次々と起こりました。
トーマスは60年代と70年代の曲にしか興味がなくて、中古のレコード屋さんにずっといるような人なんです。そして、そこで「夜明けのスキャット」のファーストアルバムをたまたま見つけたそうです。
その時に何かを感じたんでしょうね。だれが中古レコード屋さんに持って行ったのかはわかりません。いつかお礼を言うことができたらと思っています。
偶然が偶然を呼んで点と点が結びついた。人生ってやってみなきゃわからないものです。