出版、映画、ご意見番…松本が辿るビートたけしが作った道
迷走する吉本興業の内乱――。さまざまな問題が露呈しているが、まずは会社の根幹である社内の立て直しが急務。今回、明らかになった大崎洋会長、岡本昭彦社長らに付くダウンタウン・松本人志を頂点とする主流派と、幹部批判した極楽とんぼ・加藤浩次ら外様の非主流派の対立構図。松本は「加藤とのVSはない」とテレビで発言しているが、2人の吉本に対するスタンスの取り方は根本的に違う。すんなり収まるとは思えない。松本は「会社は改善して、膿は全部出して~。そこを明確にしないんやったら、僕が全員芸人を連れて出ますわ」とテレビで言い切った。以前には運命共同体の大崎氏が「辞めるんやったら一緒に辞める」という発言と矛盾してくる。
一方、加藤は「現幹部が退陣しなければ出る」と公言。果たして、松本が大崎氏らを見捨てて芸人と出られるだろうか? こんな読み方もある。
「世間の風向きは吉本の体制批判が強い。松本は幹部を批判しながら現体制を維持させたまま、加藤らも残留させて丸く収めたい」(テレビ関係者)
吉本騒動のキーパーソンになった松本。改めて振り返ると、見えてくるものがある。芸人としての実績は誰もが認めるが、たどってきた道のりはビートたけしを意識してきたようにみえる。タレントとして確かな地位を確立するや、映画評論など、まず自身の出版に進出。続いて映画監督にも挑戦。4本出したが、いずれも不評に終わった。出版も監督もたけしが芸人の先駆者として成功しているのとは対照的だ。そして、今回の騒動で渦中の番組になったフジの「ワイドナショー」のご意見番への就任。これもたけしが出演するTBSの「新・情報7daysニュースキャスター」とかぶる。政治から芸能まで持論を展開するスタイルまで似る。