「アナ雪2」すでに60億円超 絶好調の裏に“基礎票固め”戦略
全世界で社会現象を巻き起こした大ヒットアニメの続編「アナと雪の女王2」(11月22日・日米公開)の興行が物凄いことになっている。初登場1位は当たり前として、公開2週目の週末にはなんと初週を上回る集客を見せ、わずか10日間で興収40億円を突破。3週目も絶好調ですでに60億円超。
「冬休みに入ってからのファミリー層の動き方次第ですが、100億円は通過点で、最終的には150億円も視野に入っています。パート1が255億円ですからディズニー側の目標は高い。まずは今年ナンバーワンヒットした『天気の子』の140億円超えが目安になります」(映画ジャーナリスト・大高宏雄氏)
前作に引き続き主人公エルサを演じる松たか子による主題歌「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」も爆発的に広まっており、「レリゴー」ブームの再来ともっぱらだ。その勝因について、映画批評家の前田有一氏が解説する。
■新海アニメ「天気の子」で予告編を流す
「映画の宣伝は見込み客へどうリーチするかが難しいのですが、今年はディズニーにとって特異的というほどの好条件が重なっていたのです。6月には興収122億円の『アラジン』、7月は100億円超の『トイ・ストーリー4』、8月には65億円超の『ライオン・キング』と化け物じみたヒット作が連チャン状態。さらに新海アニメ『天気の子』(7月公開)も最近までロングランしていましたが、『アナ雪』はこうした特大ヒット作に予告編を流すことで、ディズニーファン、アニメファンの基礎票をガッチリ固めたとみられます。それに加えて、松たか子がのびやかな歌声で“未知の旅へ~”と歌う主題歌のサビの覚えやすさなど、ネットでバズる要素もあった。前作は業界では想定外の大ヒットといわれましたが、今回は誰もが認める“予想通り!”です」