朝ドラ「スカーレット」を包み込む富田靖子“昭和のオーラ”
■オーディションで12万7000人の中から選ばれた
かつて、富田はアイドル女優だった。83年に映画「アイコ16歳」で主演デビューを飾った。薬師丸ひろ子(55)はオーディションで8万7000人の中から選ばれたが、冨田は12万7000人の少女たちの中から選ばれた。映画宣伝のCMでは「その時、富田靖子トミタヤスコはアイコになったのです」と映像の下にテロップが流れるほどだった。
「薬師丸さんは、デビュー当時からすでにスーパースター扱いされていましたが、富田さんはクラスの女子が映画に主演したような素人っぽさを感じさせる女優でした。映画の中のアイコがそのまま富田と重なり、ファンはまるで彼女のドキュメンタリー映画を見ているような錯覚を抱いたものです」(芸能ライター・弘世一紀氏)
富田は85年には大林宣彦監督の「さびしんぼう」に主演し、女優としてさらに高い評価を得る。まさに順風満帆。薬師丸以上の活躍を期待された。
「その後、共演者の不祥事によって映画やドラマが2度に渡って途中で打ち切られたり、自身も車の衝突事故を起こし、同乗していた俳優の筧利夫(57)との交際が明るみに出ます。清純派のイメージが完全に崩れたのは誤算でした。その後、95年にはイメージチェンジを図るべく、映画『南京の基督』でフルヌードの濡れ場を演じましたが、映画そのものの評判が芳しくなく、この頃から主演作が減っていきました」(前出・弘世一紀氏)