人情刑事ドラマ「ケイジとケンジ」が持つ既視感の正体とは
先週から始まった「ケイジとケンジ~所轄と地検の24時~」は、いわば“変形バディー物”だ。主人公のひとりは交番勤務から待望の刑事となった仲井戸豪太(桐谷健太)。以前は高校の熱血体育教師だった。もうひとりが東大出身のエリート検事、真島修平(東出昌大)。自分を切れ者だと思っているが、部長検事(柳葉敏郎)から厳しい指導を受ける日々だ。
そんな2人が連続空き巣事件で出会う。犯人の滑川(馬場徹)は豪太の元教え子。侵入した家の主人が滑川に突き飛ばされた直後に死亡したことから、修平は強盗殺人を主張。納得がいかない豪太は修平と衝突する。
また2人には、もうひとつの接点がある。豪太の妹、みなみ(比嘉愛未)が立会事務官としてサポートする検事が修平なのだ。しかも修平はみなみに好意を寄せている。
豪太、修平、みなみの3人がそろったシーンで、このドラマが持つ既視感に気づいた。「まんぷく」の桐谷、「ごちそうさん」の東出、そして「なつぞら」の比嘉。いずれも彼らが脇役として好演していた「朝ドラ」だ。刑事ドラマと検事ドラマの合わせ技かと思っていたら、そこに朝ドラのテイストも加わっている。そもそも脚本の福田靖は「まんぷく」も手掛けていたではないか。
変形バディー物にして、シリアスすぎない人情刑事ドラマ。そのココロは“夜の朝ドラ”だった。