宍戸錠は「カズノコ」と…“頬っぺた”除去後に放った一言
宍戸錠が86歳で亡くなった。日活「渡り鳥」シリーズなどで悪役として活躍し、「エースのジョー」がニックネームだった。テレビでは「元祖どっきりカメラ」「くいしん坊!万才」で人気者になった。
だが、宍戸で誰もが思い出すのは、丸く膨らんだトレードマークの頬っぺただ。あれは「オルガノーゲン」といわれる液状のパラフィン。
日活の大スターだった石原裕次郎は正統派の二枚目。どう逆立ちしても裕次郎は超えられない。そこで頬を膨らませ、悪役向きのふてぶてしい風貌にするため、豊頬手術を思い立った。
この「逆整形」は大成功だった。もしやらなければ、宍戸がスターとして大成したかどうか。
ところが、宍戸はこの頬っぺたが嫌になる。2001年3月、「シシドの顔はもう飽きた。膨らんだ顔をしぼませて、古顔(オールドジョー)になりたい」と語り、再手術を行った。オルガノーゲンが石灰化して頬の皮膚に癒着し、がんの原因になったり、敗血症を招く恐れがあるのも決断した一因だった。