上岡龍太郎が代打でラジオに「ハガキ読み」に衝撃を受ける
NSCお笑い講師で漫才作家の本多正識氏がお笑い界の巨人たちの秘密を解き明かす。
「芸は一流、人気は二流、ギャラは三流、恵まれない天才、私が上岡龍太郎です」
この立て板に水のフレーズ、50代以上の関西人なら知らない人はいないでしょう。私が上岡さんに初めてお会いしたのは阪神タイガースが日本一になった1985年の暮れ。毎日放送ラジオで阪神ファンの芸人が集結する「タイガース寄席」の公開録音で、構成をさせてもらった時のこと。「怖い人」「気難しい人」というネガティブな噂だけを耳にしていて非常に緊張していたのを覚えています。
上岡さんに若いディレクターが丁寧に挨拶をした後、
ディレクター(以下D)「打ち合わせをお願いできますでしょうか?」
上岡「内容に変更があったんですか?」
D「いえ、特に変更はありません」
上岡「それなら(打ち合わせは)いりません。台本読んできましたから。僕日本語読めますから」
と取り付く島もなく離れていかれた。
ディレクターも私も唖然として立ち尽くしていましたが、周りにいた芸人さんたちは肩を揺らして笑いをこらえている。おそらくいつもの上岡さんだったのでしょう。