ドリフターズになりすましたロカルノ国際映画祭の授賞式
毎回、俺の人生ルーレットなるものを回し、過去のいろいろな時代のエピソードを述べてきたが、今回はルーレットはあえて回さないのだ。
というのは、何回か前にアメリカにメジャーの野球を見に行き、ドジャースタジアムのグッズショップで少年ファンに王貞治選手の一本足打法を披露、それだけでよしゃいいのに、さらに調子こいて王さんのサイン(子供の頃、野球選手のサインをマネするのがはやったので書けました)を数十人に書いた「王貞治なりすまし事件」(?)を告白しましたが、いよいよ世紀末という1999年ごろに、俺はドリフターズにもなりすましていたことを突然、思い出したのです!
それは俺が脚本、主演をした映画「生きない」(清水浩監督)でスイスの「ロカルノ国際映画祭」で見事、賞をいただいた時のことなのだ。
とにかくロカルノという街はお金持ちのヨーロッパ人の避暑地といわれているだけあり、街の中心に大きく美しい湖があり、それを取り囲むように石畳の街並みやレンガなどの建物が並び、そしてその背景にはスイスの山並みがそびえているのですが、山のところどころに大きく古い城が点々と存在するという、ぜいたくこの上なく静かで優雅な時間が流れていく場所なのです……。