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ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

マヂカルラブリーはM-1で漫才の可能性を切り開いた革命児

公開日: 更新日:

 世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスの脅威によって、2020年は激動の年になった。年末に行われた漫才の祭典「M―1グランプリ」は、そんな年にふさわしい荒れ模様の展開になった。

 ミキぺこぱ、ゆにばーすといった実力者たちが予選で姿を消し、クセのある芸風の漫才師たちが決勝に進んだ。

 そんな中で、大会史上最大級の混戦を制して優勝を果たしたのはマヂカルラブリーだった。

 マヂカルラブリーは、筋肉質のイケメンである野田クリスタル(34)と、ぽっちゃり体形の村上(36)のコンビ。得体の知れない不気味なキャラクターの野田が、舞台上を所狭しと暴れ回り、全身を派手に動かしてボケまくる。それに対して村上が一方的にツッコミを入れていく。

「M―1」で2本目に披露した電車のネタに至っては、野田はほとんど言葉を発することもなく、動きだけで笑いを引き起こそうとする。無声映画時代のコメディアンのように、動作だけで表現する姿は潔いものがある。

 大会終了後、マヂカルラブリーの漫才について賛否両論の声が飛び交った。中には「あんなのは漫才ではない」という厳しい声もあった。

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