「麒麟がくる」は盛り返せるか 最終回は定説を覆す展開【ネタバレあり】
NHK大河ドラマとしては初めての年越しとなった「麒麟がくる」は、いよいよ本能寺カウントダウンに入ったが、心配なことに、ゴールを目前に息切れしている。昨年末の12月27日放送は世帯視聴率11.5%、年明けの3日は11.4%と、これまでの最低を更新し続けている。
出演者・スタッフは残り5回をなんとしても盛り上げようと、「これまでの本能寺の変とはまったく違う描き方をしています。最終回は意外な形で終わる」と期待させる。
では、光秀はなぜ信長を殺さなければならなかったのか。パワハラに対する怨恨説、帝による陰謀説、信長の正室・帰蝶に対する光秀の横恋慕説などさまざまに語られてきたが、今回の大河では、「きょうだいたちの『夢』の行き違い」が描かれるようだ。ドラマ序盤の脇役に過ぎない斎藤道三役に、大物の本木雅弘を起用したところにそのヒントがあるという。
「戦のない世の中を夢見る光秀は、そのためには『誰にも手出しできぬ大きな国をつくることじゃ』と言い放つ道三に心酔し、父母に疎んじられた信長は岳父の道三を頼り、道三の娘の帰蝶はファザコン。つまり、道三をキーパーソンに、光秀が長男、信長が次男、帰蝶がおてんばな妹というような関係なんです。道三の『大きな国』を平らかで豊かな国と考える光秀は、いったんは信長に夢を託しますが、『大きな国』とは自分が天下を意のままにすることだと考える信長と行き違いが大きくなっていくというのが、ここ数話の展開ですよね。そして、もはや戦乱は広がるばかりで、王が仁ある政治を行う時に現れるという麒麟は来ないと悩み、信長を増長させた“長男”の責任として、泣いて馬謖ならぬ、“弟”を斬るという本能寺の変が描かれるのでしょう」(放送作家)