「麒麟がくる」は盛り返せるか 最終回は定説を覆す展開【ネタバレあり】
信長も、“兄”である光秀の思いは痛いほどわかるから、「是非に及ばず」(仕方がない。光秀を恨まない)と言い残して自害したという解釈になるのだろうか。もはやシェークスピア悲劇の世界で、信長役の染谷将太は「(台本を読んで)鳥肌が立ちました」と語っている。
「麒麟がくる」の結末で、もうひとつ話題になりそうなのが帰蝶の命運だ。史実では没年は不明だが、ドラマでは信長、光秀が亡き後も美濃に戻って暮らす。
「川口春奈の帰蝶は、信長はいずれ光秀に討たれるという予感があるのですが、すでに2人とは違う世界で生きていて、ハラハラしながら見ているしかないんですね。果たしてそうなってしまった後、架空の人物ですが、麒麟の存在を信じている元戦災孤児で、医師の助手の駒と、『男たちの戦では麒麟がくる世の中はできない』と慨嘆する。ここで、あらためてドラマのテーマを浮き彫りにして、44話の終わりという流れだと思います」(前出の放送作家)
そして、光秀の夢は娘のたま、後の細川ガラシャに引き継がれていく。
(コラムニスト・海原かみな)