田中邦衛さんは胃腸薬のCMに出演しつつ胃を手術し…
名優の田中邦衛さんが亡くなられた。多くの人が追悼コメントを出し、代表作として「北の国から」が多く扱われた。
僕としては、子供の頃から映画館に行かせてもらって見ていた映画「若大将シリーズ」での青大将役が、真っ先に頭に浮かぶ。加山雄三の敵役で、大企業の社長の息子。若大将に事あるごとに対抗しているが、妙なことに嫌な気分にさせない、印象的な演技だった。
映画「仁義なき戦いシリーズ」も記憶に残っているし、テレビ時代劇で渡辺謙主演の「仕掛人 藤枝梅安シリーズ」の元締役も忘れられない。
どの役柄でも田中さんらしさは出ているのだが、それぞれ別の味わいを持つように役を演じているところが素晴らしい。
と、つまりは子供の頃からファンだったということだ。
■自宅で張り込むと…
残念ながら、田中さんに単独でインタビューするようなチャンスはなかったが、とあるエピソードを思い出す。今から二十数年前のことだろうか、他のマスコミがどこも知らない情報が入ってきた。それは、田中さんが胃を壊して入院し、手術を終えて自宅に戻るという情報だった。退院はめでたい話であるし、本人に確認すれば病状なども判明するので、田中さんの自宅にテレビクルーと一緒に張り込んだ。