“小室圭さん嫌い”という世論は天皇陛下にまで大きな負担をかけてしまった

公開日: 更新日:

 この7月末に、小室圭さんは米国ニューヨーク州で弁護士試験を受験する予定だ。おそらく合格するだろうといわれているが、その一方で、肝心の眞子さまとの結婚問題は膠着したまま、出口がまったく見えない。そんな中で、ある宮内庁関係者はこんなことを言った。

「なんとか、おふたりが平穏に結婚していただきたいのはやまやまなんですが、ひとつ頭が痛いことが……」

 それは、天皇陛下のお言葉のことだという。

 天皇陛下は今年の2月23日に61歳の誕生日を迎えたが、これに先立って行われた記者会見で、眞子さまの結婚問題について、記者の質問に答えるかたちでこう言われた。

「眞子内親王がご両親とよく話し合い、秋篠宮が言ったように、多くの人が納得し、喜んでくれる状況になることを願っております」

 宮内庁は、天皇陛下が眞子さまの結婚問題に直接言及される展開を避けようとしていたが、“小室さん嫌い”の世論があまりにも強かったために打開策はいずれもうまくいかず、結果的に天皇陛下が答えざるを得なくなってしまった。この会見で天皇陛下は、眞子さまの結婚問題について、「多くの人が喜んでくれる状況」という条件をつけられた。わざわざ言及する必要はなかったにもかかわらず、弟君の秋篠宮さまをおもんぱかってか、一歩踏み込まれたのだろう。

 それがなぜ問題なのだろうか。

皇室では今も厳然とした家父長制が生きています。家長である天皇陛下のお言葉は絶対です。陛下は、秋篠宮さまに同意するかたちで、おふたりの結婚には国民が祝福してくれる状況を希望されました。でも今は、とてもそんな状況ではありません。みんな頭が痛いはずです」(皇室関係者)

まさに八方ふさがり

 たしかに、世論や週刊誌報道を見ていると、多くの人が喜ぶ状況ではない。仮に小室さんが弁護士試験に合格して高給が約束されたとしても、国民の“小室さん嫌い”は消えないだろう。それでもなお、眞子さまが結婚したいとなったとき、果たして天皇陛下は祝福のお言葉を出されるのだろうか。もし祝福されたとなれば、天皇陛下はお誕生日会見で示されたお言葉を自ら否定することになってしまう。いくらなんでもそれはできないだろう。

 では眞子さまが、天皇陛下が望むような状況ではないからと、結婚を泣く泣く諦めれば、すべて丸く収まるのかといえば、それも違う。天皇陛下だって眞子さまの意思や幸せを尊重したい気持ちであることは間違いない。

 こう考えると、まさに八方ふさがりなのだ。この状況は、天皇陛下にも秋篠宮さまにも眞子さまにも、頭の痛い問題のはずである。

 こうなったのも、本はといえば、世論やメディアが知らず知らずのうちに今の状況をつくってしまったのではないか。

「われわれが眞子さまを守るために、ふさわしくない男を排除してやる」――。その理屈に悪意や作為はないとしても、小室さん1人のために、結果的に天皇陛下を追い詰めているということだ。まるで喜劇のような大悲劇である。

 先日も、天皇陛下が東京オリンピックについて、西村泰彦宮内庁長官の口を通して懸念を示されたが、政府内では無視する発言もあったという。たしかにきわどい発言だが、どこかで天皇を軽視していないだろうか。天皇に政治家のような二枚舌はない。お言葉は天皇の「御心」そのものであり、だからこそ時間をかけて推敲もされる。それゆえ天皇のお言葉にはずしりとした重みがあるのだ。それを軽んじるようであれば、やがて象徴天皇制をも軽んじることになるだろう。(つづく)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  2. 2

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  3. 3

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  4. 4

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  5. 5

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  1. 6

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  2. 7

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 8

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」

  4. 9

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  5. 10

    フジテレビを襲う「女子アナ大流出」の危機…年収減やイメージ悪化でせっせとフリー転身画策

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…