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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「ギャンブル好きのクズ芸人」が面白い!小さく纏まった“コンプラ芸人”をよそに…

公開日: 更新日:

 コンプライアンスでガチガチに固められ、テレビサイズに小さくまとまった芸人が多い中、「クズ芸人」と呼ばれ、クズっぷりを披露して存在感を見せる芸人がいる。

 例えばピン芸人の岡野陽一。パチンコや競馬など無類のギャンブル好きで借金は1000万円以上。すべて友人知人から借り、「木曜日の人権を担保に借金した」「8万以上貸してくれる人は100万円まで貸してくれる」といったクズっぷりが面白い。同じ事務所の後輩、吉住が「THE W」で優勝、賞金500万円を獲得した際も「新しい債権者様の誕生だー!」とツイートした。

 相席スタートの山添寛は相方の山崎ケイに100万円以上借金しているとか。借金を「絆」、ギャンブルを「夢追い」と独特のワードで表現する山添。「借金額と幸せは比例する」などと言うので山崎いわく「貸す方は何かよいことをしているような錯覚に陥る」。もはや洗脳の域か。

「ギャンブルと風俗」で借金700万円と語っていたのは「空気階段」鈴木もぐら。昨年3月「しくじり先生」に「結婚、そして子供ができて変わると思ってたら全然変われなかった先生」として登場、「ギャンブル(競馬)がやめられない」と。先日、ある番組で、まとまった収入があったが、借金返済には充てず、子供をアメリカンスクールに入れる費用にすると発言。クズ芸人の面目躍如。

10万で第7世代とパイプができる

 10年かけてつくった借金を全額完済したとツイッターで報告したのは女芸人のヒコロヒー。YouTubeチャンネル「ヒコロヒーの金借りチャンネル」を開設、芸人やタレントから借り入れするところをリアルに見せ、今年に入っての売れっ子ぶりは凄まじく6月の収入が98万円で借金も完済とか。先週「5時に夢中!」に出演した際、矢口真里から10万円借りたエピソードを語ったが、「最近仕事どうですか? 私に10万貸したら第7世代とパイプできますよ」と説得したとか。

 ヒコロヒーは麻雀好きでも知られ、レギュラーの大先輩・中尾ミエにもぞんざいな態度で、それを指摘されると「一回麻雀打たないと、どういう人かわからない」と語って中尾を苦笑いさせた。平成ノブシコブシの徳井は、奥さんにもらった自動車教習所の入学金や歯科矯正の費用までボートレースにツッコんだとか。

粗品は別格

 若手では霜降り明星の粗品が別格。消費者金融で借りたお金でギャンブルを続け、「3日で700万負けた」とスケールが違う。「年収の3分の1しか借りれないんですけど、年収が上がったから借り入れが増えた」そうで、令和の「横山やすし」になる期待大。

「人を傷つけない笑い」「仲よし芸人」が売りの一般人と同じ感覚のコンプライアンス芸人には飽き飽き。テレビにはクズ芸人がよく似合う。 

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