海原小浜師匠の強烈な“芸人根性”…心臓発作でも人前では決して弱みを見せない
1960年代から70年代にかけて女流漫才で一世を風靡し、60代以上の関西人なら知らない方はいらっしゃらないほどメジャーな存在なのが「海原お浜・小浜」師匠。お浜師匠は、私がプロになる以前に引退されていたのでお会いしたことはありませんが、小浜師匠には漫才番組、バラエティー番組で何度となくお世話になり、たくさんのことを教えていただきました。この小浜師匠は、海原やすよ・ともこのおばあちゃん。全国的には上沼恵美子さんの師匠と言った方がわかりやすいでしょうか。
まだうめだ花月シアターがあった30年近く前、たしか「ルーレット寄席(?)」(毎日放送)というタイトルで3組の漫才コンビがルーレットでテーマを決めて即興漫才を披露して審査員に評価をしてもらうという公開番組があり、私は制作に関わっていました。
ある日の収録で審査員の1人が、隣にいた小浜師匠を指さして手で「×」の合図を送ってきました。最初はなんのことかわかりませんでしたが、小浜師匠がうつむいて固まっている。ディレクターに告げて、いったん収録を止め、小浜師匠の元に向かうと顔色が白く、あぶら汗を流しておられ、心臓発作を起こしていました。