著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<25>俳優Iの部屋に一人残された矢住代はその後、姿を確認されていない

公開日: 更新日:

 1971年12月27日、月曜日。午後11時。飯野矢住代は恋人である俳優Iと一緒に楽しい時間をすごしていた。「週刊明星」(1972年1月23日号)が書くところによれば、2人は共通の友人の母親が経営する世田谷区北沢の小料理屋の開店祝いに揃って顔を出したとある。一方、「週刊平凡」(1972年1月20日号)には、この日は友人の誕生日で、彼の経営する笹塚のスナックでパーティーが開かれ、揃ってお祝いに駆けつけたとある。笹塚と北沢。小料理屋とスナック。記述にいくつかの齟齬はあるが、2人してお祝いに駆けつけたことと、午前3時まで痛飲したこと、翌朝ドラマのロケがあるためIは一足先に帰宅したこと、残された矢住代は友人たちと渋谷のスナック「深海魚」に移動して朝まで盛り上がったこと。以上は間違いないらしい。Iの証言をひく。

《パーティに行く途中で花を買ったときも、“眠気ざましの薬を買おうかしら”というので、“あんまりへんな薬は飲まない方がいい”といってやめさせた》(「週刊明星」72年1月23日号)

 明けて12月28日、火曜日。午前8時。Iの自宅の電話が鳴った。矢住代からだった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動