著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<25>俳優Iの部屋に一人残された矢住代はその後、姿を確認されていない

公開日: 更新日:

「ねえ、今から遊びに行っていい?」

 飲み明かして恋人に会いたくなったか、風呂に入りたかったかのどちらか、もしくはどちらでもあるのかもしれない。矢住代が母親と住む円山町の古いアパートには風呂がなかったからだ。Iは答えた。

「来てもいいけど、ロケがあるから10時前には出かけちゃうよ」

「いいわ、お部屋にひとりでいていい?」

「いいよ。誰もいなくてもよかったらおいでよ」

「わかった」

 そう言うと、矢住代は30分後にIの住む笹塚のマンションに現れた。部屋に入るや否やキッチンに立つと、卵焼きとスープを作り始めた。

「これ、食べて行かない?」

 スープだけ口にしたIは急いで家を飛び出た。これが午前9時半である。ひとり残された矢住代はマンションの下の酒屋でサイダーを買ったことを除いて、その後、姿は確認されていない。


 午後2時50分。近所のそば屋に勤める26歳の店員がIの住むマンションに出前の器を引き揚げに来た。店員がIの部屋のある7階に上がったときである。黒煙がもうもうと立ち込めていた。「息をするのも苦しかった」というくらいで、煙はIの部屋の換気窓から噴き出ていた。すぐさま店員は管理人に急報し、程なくして消防署員がマンションに駆けつけた。サイレンもけたたましく鳴り響いたに違いなく、師走の慌ただしさも相まって笹塚一帯は大騒ぎとなった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  3. 3

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  5. 5

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  1. 6

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  2. 7

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 8

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  4. 9

    「ダウンタウンDX」終了で消えゆく松本軍団…FUJIWARA藤本敏史は炎上中で"ガヤ芸人"の今後は

  5. 10

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  3. 3

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  4. 4

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  5. 5

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  1. 6

    のんが“改名騒動”以来11年ぶり民放ドラマ出演の背景…因縁の前事務所俳優とは共演NG懸念も

  2. 7

    ダウンタウン「サブスク配信」の打算と勝算……地上波テレビ“締め出し”からの逆転はあるか?

  3. 8

    1泊3000円! 新潟県燕市のゲーセン付き格安ホテル「公楽園」に息づく“昭和の遊び心”

  4. 9

    永野芽郁と橋本環奈…"元清純派"の2人でダメージが大きいのはどっち? 二股不倫とパワハラ&キス

  5. 10

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ