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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

相方イワクラの「気持ち悪いこと」そのままを体現 蛙亭・中野は”怪人"

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 コンビ結成当初、互いにネタを見せ合おうとネタ帳を交換。中野の漫才は「作りがちゃんとしてるだけで1個もおもしろくなかった」。一方、イワクラは「ボケだけのネタで作りがぐちゃぐちゃだった」という。そんなお互いを補う形でネタを作っていったのだ(テレビ東京「あちこちオードリー」21年4月28日)。

 やがて、すべてのネタをイワクラが考えるようになった。そのため、中野に辛辣な言葉を吐くことも、しばしば。「何がしんどいって、こっちが全部ネタ作って給料半分吸い取られてる……」(フジテレビ「さんまのお笑い向上委員会」21年2月13日)などと、イワクラは嘆いてみせた。

 しかし、最近は「“中野無敵モード”なんです。本当に頼もしい」(東京ニュース通信社「TV Bros.」21年8月号)と評価が一変。その理由は蛙亭の最新のコント作りにある。実はその多くは、イワクラが設定とオチだけを中野に伝え、ネタ合わせすることなく即興で行うのだ。

 冒頭のコントも「喫茶店でリモート会議してる人の後ろに、めっちゃ映り込んできて『あ、すみません、今ちょっとリモート会議してて』と」「(オチは)『前ここで会社辞めたいってつぶやいてコーヒー飲んでたじゃん』って頭ポンポンとかしてハケてみたいな」と伝えただけで、中野は完璧に演じ切り、オチのセリフも即興で作ったものだ。

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