相方イワクラの「気持ち悪いこと」そのままを体現 蛙亭・中野は”怪人"
コンビ結成当初、互いにネタを見せ合おうとネタ帳を交換。中野の漫才は「作りがちゃんとしてるだけで1個もおもしろくなかった」。一方、イワクラは「ボケだけのネタで作りがぐちゃぐちゃだった」という。そんなお互いを補う形でネタを作っていったのだ(テレビ東京「あちこちオードリー」21年4月28日)。
やがて、すべてのネタをイワクラが考えるようになった。そのため、中野に辛辣な言葉を吐くことも、しばしば。「何がしんどいって、こっちが全部ネタ作って給料半分吸い取られてる……」(フジテレビ「さんまのお笑い向上委員会」21年2月13日)などと、イワクラは嘆いてみせた。
しかし、最近は「“中野無敵モード”なんです。本当に頼もしい」(東京ニュース通信社「TV Bros.」21年8月号)と評価が一変。その理由は蛙亭の最新のコント作りにある。実はその多くは、イワクラが設定とオチだけを中野に伝え、ネタ合わせすることなく即興で行うのだ。
冒頭のコントも「喫茶店でリモート会議してる人の後ろに、めっちゃ映り込んできて『あ、すみません、今ちょっとリモート会議してて』と」「(オチは)『前ここで会社辞めたいってつぶやいてコーヒー飲んでたじゃん』って頭ポンポンとかしてハケてみたいな」と伝えただけで、中野は完璧に演じ切り、オチのセリフも即興で作ったものだ。