清野菜名&坂口健太郎「ハンオシ」最終回まで視聴率を稼いだTBSの“ツボ押し”マジック

公開日: 更新日:

 地上波GP帯の秋ドラマも、残すところ3作品。21日が最終回の「婚姻届に判を捺しただけですが」(TBS系=火曜夜10時)、23日の「SUPER RICH」(フジテレビ系=木曜夜10時)、24日の「群青領域」(NHK総合=金曜夜10時)だ。

「世帯視聴率ではテレビ朝日系の『ドクターX』とTBS系の『日本沈没』が全話平均で15%超えですが、オリコンの満足度調査やネット上の評判では、日本テレビ系の『恋です!』、TBS系の『最愛』、フジ(カンテレ制作)の『アバランチ』という、いずれも世帯視聴率では2ケタに届かなかった作品がトップ3ですね」(テレビ誌ライター)

 この結果について、テレビコラムニストの亀井徳明氏は「ほぼ予想通りでしたが、“ハンオシ”の善戦は意外でした」と話す。

 ハンオシは「婚姻届に判を捺しただけですが」の略で、清野菜名(27)演じる“おひとりさま上等女子”と、坂口健太郎(30)演じる“カタブツで不器用なエリート”による偽装結婚から始まる“不意キュン♡ラブコメディー”だ。

「逃げ恥」の二番煎じともいわれたが…

 ネット上では放送前から、〈『逃げ恥』の二番煎じ感が否めない〉と言われていたうえ、初回放送直前のタイミングで清野の妊娠が発表されたこともあり、〈妊婦がヒロインを演じていると思うとラブコメに乗れない〉〈清野さんは好きだけど体調が気になってしまう〉などと、ネガティブな声も多かった。ところが初回の世帯視聴率は9.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、これまでの9話平均でも2ケタに迫る数字で、今期のドラマでは上位に位置している。

「連ドラの視聴率は〈とりあえず見てみる〉という初回が高く、第2話では下がることがほとんどですが、ハンオシは今クールで第2話が初回を上回った唯一のドラマです。第2話以降も2ケタ近くで安定し、全話平均で2ケタも射程内。『ドクターX』や『日本沈没』さえも全話平均が初回の数字を上回れていないことを考えると、これは“地味にすごい”こと。今期のTBS系は『日本沈没』で数字を、『最愛』で評価を取りながら、『ハンオシ』でもきっちりと存在感を示しましたね。『恋つづ』『ボス恋』のプロデューサー・松本明子さん×編成・宮崎真佐子さんというタッグが、『ハンオシ』でもあらゆるところに仕掛けた“ツボ”に心地良くハマった視聴者がいた。ラブコメに興味のない層をバッサリ切り捨てながらも、狙った層をきっちり取り込めたということでしょう。見事な“ツボ押しマジック”でした。個人的には猫の“おもち”と坂口さんの演技がツボでしたね」(前出の亀井徳明氏)

 今期のTBS系ドラマは品揃えが絶妙な評判店のようで、「ドラマのTBS」の面目躍如か。先週14日の第9話放送後、ネット上には〈これが最終回でよかったのに、もう1話ある?〉〈百瀬さん(坂口)にイライラする〉なんて声もあった。「ハンオシ」は実は“不意キュン”じゃなくて“イラキュン”が裏コンセプトだったりして? 

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘

  2. 2

    フジテレビに「女優を預けられない」大手プロが出演拒否…中居正広の女性トラブルで“蜜月関係”終わりの動き

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 5

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”

  1. 6

    元フジテレビ長谷川豊アナが“おすぎ上納”告白で実名…佐々木恭子アナは災難か自業自得か

  2. 7

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  3. 8

    萩原健一(6)美人で細身、しかもボイン…いしだあゆみにはショーケンが好む必須条件が揃っていた

  4. 9

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  5. 10

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  2. 2

    ロッテ吉井監督が佐々木朗希、ローテ再編構想を語る「今となっては彼に思うところはないけども…」

  3. 3

    【独自】フジテレビ“セクハラ横行”のヤバイ実態が社内調査で判明…「性的関係迫る」16%

  4. 4

    人事局付に異動して2週間…中居正広問題の“キーマン”フジテレビ元編成幹部A氏は今どこで何を?

  5. 5

    【埼玉・八潮市道路陥没「2次被害」現場ルポ】発生2週間、水は濁り死んだ魚が…下水放流地で見た河川の異変

  1. 6

    TV復帰がなくなった松本人志 “出演休止中”番組の運命は…終了しそうなのは3つか?

  2. 7

    "日枝案件"木村拓哉主演「教場 劇場版」どうなる? 演者もロケ地も難航中でも"鶴の一声"でGo!

  3. 8

    中居正広氏&フジテレビ問題で残された疑問…文春記事に登場する「別の男性タレント」は誰なのか?

  4. 9

    20代女子の「ホテル暮らし」1年間の支出報告…賃貸の家賃と比較してどうなった?

  5. 10

    ビートたけし「俺なんか悪いことばっかりしたけど…」 松本人志&中居正広に語っていた自身の“引き際”