神田沙也加さん急逝…“松田聖子ウオッチャー”のベテラン記者が見た「母と娘35年の相克」
「松田は、未だこの現実を受け止めることが出来ない状態です」──。
18日、松田聖子(59)の長女で女優の神田沙也加さんが札幌市のホテル高層階から転落し亡くなった。享年35。北海道警は自殺と事故の両面で調べており、聖子の所属事務所は公式サイトでこうコメント。19日に都内で開催予定だったディナーショーは中止になった。
娘を亡くした聖子の悲痛を思うと言葉もないが、一部スポーツ紙の報道では転落する直前に父親の神田正輝(70)と電話し、神田の誕生日を祝う会話があったという。沙也加さんは1986年に神田正輝と松田聖子夫妻の長女として誕生。札幌には主演ミュージカル「マイ・フェア・レディ」の公演のため滞在していた。
■ひとりぼっちだった少女時代
松田聖子ウオッチャーのベテラン芸能記者、青山佳裕氏はこういう。
「聖子さんは悲しみに暮れていることでしょう。それでも私は、沙也加さんが幼い頃、最も母親の愛情や庇護が必要な時に沙也加さんがひとりぼっちになってしまい、公園で暗くなるまでローラーブレードで遊んでいた姿を思い返してしまいます。ご近所の方がかわいそうに思ったのでしょう、ジュースか何か差し出していた。転校を繰り返し、友だちをつくることすらままならなかった定時制高校を頑張って卒業したときも、卒業式にすら聖子さんは現れなかった。沙也加さんが聖子さんを自身の結婚披露パーティーに呼ばなかったとき、複雑な胸中を思わずにいられませんでした」
青山氏は今月15、16、18日に東京・グランドプリンスホテル新高輪で開かれた聖子のディナーショーを取材、満面に笑みを振りまく聖子を目撃している。
「聖子さんのファンサービスはすばらしい。そんなきらびやかな世界の裏で、沙也加さんが子供のころからどれだけ悩み、苦しみ、孤独のふちにいたのかを考えると言葉がありません」
恒例だった「沙也加で~す」の紹介場面
長年の聖子ファンの女性編集者は言う。
「コンサートのステージで聖子さんが『沙也加で~す』と客席に紹介するのは恒例の場面でした。私たち観客も客席から『沙也加さ~ん』と手を振って、応えるのがお決まりでした。でもいつの頃からか沙也加さんの姿が見えなくなると、ビビビ再婚した歯科医の男性が2階席に座っているところへスポットライトがあたり、『Hさ~ん』とやられていた。それで、私たち観客も『Hさ~ん』と呼びかけ、聖子さんにならい、一斉に手を振ったものです。そのHさんとの離婚が明らかになったときはどうするんだろうって皆思ったものですが、次に紹介コーナーで登場したのがモト冬樹さん。さすがにこのときは苦笑いが広がりました」
前出の青山氏がこう続ける。
「聖子さんは唯我独尊タイプで、家族も夫も、自分を飾り立てるためのもの。中森明菜さんのファンが明菜さんを助けたいと思うのとは対照的に、自分が一番で、自分が輝くことを何よりも優先する。そんな強いところにファンは引かれるのだと思います」
聖子は23日から26日にかけては大阪でディナーショーが、また31日の大晦日にはNHK紅白歌合戦への25度目となる出場が決まっている。紅白は母娘で2度出場(2011年と14年)した思い出の舞台でもある。
沙也加さんを失った悲しみだけは取り返しがつかない。
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