<136>早貴被告の弁護士は約束した抵当権の抹消をしなかった
かつてアプリコに借り入れがあり、自宅と店舗に抵当権が設定されていたFさんは、銀行から融資を受けられずに困っていた。すでにアプリコに債務はなく、過払い金の返還まで受ける立場で抵当権の抹消は当然であり、アプリコ側の弁護士も「すぐにやります」と約束したが、全く履行されないというのだ。
Fさんは、このままでは3階建ての自宅兼店舗を修繕できないと顔を曇らせていた。
「過払い金の精算書類を作って法務局に持っていけば、抵当権の抹消なんて簡単にできるはずですよ」
私がクビをかしげているのを見て、Fさんもうなずいた。
「私もね、すぐに抹消されると思っていたんですよ。だけど、今の今までやっていないんだから、もう嫌になってしまってね。何度か、アプリコに『約束したんですから早くやってください』とお願いしたのに」
「ひどいですね。なんという弁護士が来たんですか?」
「男性と女性の2人、どちらも若い弁護士でしたよ」