<159>「業務に支障」「不利益を被る」情報公開を拒否する田辺市の言い分
畑中氏が嘆いた。
「まるで意味不明の説明だよね。公開するとなぜ弁護士業務に支障をきたすのかなぁ。この費用というのは税金だから直ちに詳細を公開する義務が田辺市にはあるし、市民には知る権利があるでしょ。こんな返答は承服できないし、何かを隠しているのかと疑う気持ちも出てくる。田辺市民の間ではこの費用がおかしいのではないかと話題になっているんだからねぇ」
田辺市のホームページで確認すると、2020年度の一般会計予算として、弁護士委託料1億94万6000円、行政不服審査費55万2000円、役務・鑑定手数料1254万5000円などを挙げているが、その詳細は明らかにしていない。
畑中氏はこれに対しても情報公開を求めることにしたが、市側からの回答はこうだ。
「(弁護士の)資料を公開することにより、当該裁判において市が不利益を被るおそれがある(後略)」
これもまた意味不明である。ドン・ファンの遺族が遺言無効の訴えを明らかにしたのは4月で、予算を付けた当時は田辺市との間に裁判はなかったのだ。