追悼・上島竜兵さん 担当編集が明かす“半裸写真”秘話「京都の満開の桜の下で撮影、気に入ってくれました」
ダチョウ倶楽部の上島竜兵さんの訃報から一夜明け、悲しみが広がっている。
上島さんは、11日午前0時ごろ、東京都内の自宅で、家族が異常を発見し、緊急搬送されたが、午前1時前、搬送先の病院で死亡が確認された。自殺とみられる。61歳だった。
上島さんは兵庫県出身。肥後克広(59)、寺門ジモン(59)と1985年「ダチョウ倶楽部」を結成。「熱湯風呂」「アツアツおでん」などのネタで“リアクション芸”を確立。「聞いてないよ~」「くるりんぱ」「キス芸」など、数々のギャグでお茶の間を沸かせた。
同時に、「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」(89~96年)、「志村けんのバカ殿様」(97年に初登場)に出演し、ビートたけし(75)や志村けんさんなどの大物に可愛がられた。
特に上島さんより10歳ほど年上で“師匠”と慕っていた志村けんさんとの蜜月は有名だった。ある芸能関係者はこう話す。
「志村さんが40代、上島さんが30代の頃は、週に4日は飲むほど仲が良かった。上島さんは志村さんの彼女との別れ話の場にも呼ばれて同席しています。志村さんが亡くなる数年前には、50代後半になった上島さんは涙もろくなっていたようで、『この前、竜ちゃんと飲んでたら“師匠、ありがとうございました”って、竜ちゃん急にエンエン泣き出したんだよな~(笑)』と志村さんは話していました」
無名の後輩芸人の話をしきりに入れたがって…
一方、東高円寺や中野の居酒屋で開催されていた「竜兵会」では有吉弘行(47)、劇団ひとり(45)、土田晃之(49)といった多くの後輩芸人に慕われていた。2005年に発売された著書「これが俺の芸風だ!!」(竹書房)の担当編集者で現在は作家の松永多佳倫氏はこう話す。
「当時、『芸人本』がブームで、やるならこの人しかいないと思ってオファーしたところ、一発OKでした。とても繊細で周囲に気を使う優しい方でしたね。本の中には『竜兵会』の話も出てくるんですが、すでにブレークしていた有吉さんやひとりさんだけでなく、インスタントジョンソンさんなど、まだ無名の後輩芸人の話をしきりに入れたがって、後輩思いなんだなと思いました」
先輩や後輩だけでなく、松永氏もその優しさを感じている。
「僕は著書の構成もやったのですが、初めてのことでテンパってたら、『松永クン、本当はボクのこと嫌いでしょ?』なんておどけて和ませようとしてくる。原稿チェックの時も、僕が多少誇張して書いたところは全部OKで、そうじゃないところに赤が入ったりしていました(笑)。表紙は京都で撮影したのですが、満開の桜の下で哀愁を帯びて半裸でたたずむ写真をいたく気に入ってくれました。後で聞いた話ですが、“ヤー”のポーズはダチョウ倶楽部3人のものなので、上島さんとしてはこちらの方がいいと思っていたようです。また、帯のコメントをお願いすると、志村けんさんも、松本人志さんも二つ返事で快諾。上島さんの人望を感じましたね。心よりご冥福をお祈りします」
心優しい人柄で、先輩、後輩問わず周囲から慕われ、多くの人に愛された希代のコメディアンがまた一人この世を去ってしまった。
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■厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
▽いのちの電話 0570-783-556(午前10時~午後10時)、0120-783-556(午後4時~同9時、毎月10日は午前8時~翌日午前8時)
▽こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(対応の曜日・時間は都道府県により異なる)
▽よりそいホットライン 0120-279-338(24時間対応) 岩手、宮城、福島各県からは0120-279-226(24時間対応)