NHK「ドキュメント72時間」と「ガイロク」地味な番組なのに毎回感動するナゼ?
NHKの「ドキュメント72時間」と「ガイロク(街録)山あり谷ありの人生、波乱万丈の感動物語」の2番組は、見ている人は毎回のように目を潤ませ、見ていない人はタイトルも知らないという地味な番組だ。
「72時間」は一つの場所や店で3日間(72時間)カメラを回し続け、そこに行き交う人々を見つめるドキュメンタリー。
東京・下町の24時間営業の焼き肉店、吹雪の秋田港のそば・うどん自販機前、沖縄のいしじゃゆんたく市場、クリスマスイブの札幌のバスターミナル、大阪・西成の夫婦食堂など、実にさまざまな人がそれぞれの事情を抱えてやって来ては去っていく。
スタッフは何をしに来たのか、どこから来たのかをちょっとだけ聞く。二言三言のやりとりの中にその人の人生が垣間見え、笑いと涙を誘う。
72時間ぶっ通しだからスタッフも容易ではない。ディレクター、カメラ、音声の3人1組で、2チームが交代しながら撮影する。いったんカメラを回し始めたら、原則として72時間止めない。台風に直撃されたこともあるが、それはそれでその街角のその時の風景だからと撮影は続行された。プロデューサーは「一番やきもきするのは、厳選した撮影ポイントなのに、さっぱり人が来ないとき」と話す。そう、人が来なければ番組にならない。