井上尚弥vsドネア戦をフジテレビが手放した裏事情…高騰する放映権料を捻出できず?
■試合を中継していたら莫大な損失に?
仮に井上対ドネア戦を地上波で中継していたら世帯視聴率は30%超え、個人視聴率15%超えは確実だったといわれている。もっとも、2ラウンドKOという井上の圧勝に、本当に試合を中継していたら莫大な損失を抱えることになったかもしれないという。
「試合を中継した場合、放送時間は21時。当然、フルラウンドを戦うことを想定し、2時間は確保するわけです。ところが今回の試合はわずか2R。時間にして15分にも満たない。試合シーンを10回以上、放送しても1時間を埋めるのがやっと。しかも、視聴率は瞬間視聴率に近く、枠自体の視聴率をならすと2桁を維持できない可能性もある。過去の井上戦やバラエティー番組などBプログラムを放送しても厳しいでしょう。スポンサーも口にこそしないが、いい気持ちはしません。2H枠が1H枠に縮小される可能性が高く、仮に数十億円の放映権料を支払っても元が取れなかった可能性はある」(広告代理店関係者)
他局の民放幹部が続ける。
「もし、ウチで放映していたらと思ったらゾッとしましたね。皆、局内でスマホでこそこそと中継を見ていたからです。放映権の高騰など、コスパを考えると格闘技中継は本当に難しい。昔のテレビ局なら体力があったが、今は無理。厳しい時代です」
那須川天心vs武尊と同様、格闘技がテレビに見切りをつける日は遠くない。