落語家・笑福亭鉄瓶さん「7年前に鶴瓶師匠に褒められた時が人生最高の酒」
笑福亭鉄瓶さん (落語家/44歳)
「笑点」に新加入した桂宮治が人気を得るなど落語界が盛り上がっているが、上方落語の噺家たちも活発に活動している。なかでも、笑福亭鶴瓶の12番目の弟子の笑福亭鉄瓶さんは昨年、実話をもとにした「ノンフィクション落語」なる新ジャンルを生み出し、この4月には上方落語5人組「五楽笑人」を結成した。そんな鉄瓶さんは鶴瓶師匠に倣ったのか、深酒すると脱いでしまうようで……。
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うちの師匠はめちゃ酒飲みのイメージがあるかもしれませんが、実はそうでもないんですよ。若い頃はともかく、僕が弟子になった時、師匠は49歳だったんですけど、もうその頃は深酒も悪酔いもせず、いつも「ジャーッ」と飲んでパッと帰らはりますね。パンツ脱ぐのは打ち上げの時とかに盛り上げようとされてのことです。脱ぐスピードは速いですけどね(笑)。どうやって脱いだんやろ、というぐらい速いですよ。
僕ですか? 酔って脱ぐ癖なんかありませんよ! ただ、やらかしてしまったことはあります……。
2週間前のこと。「今何してんねん。行こか」と師匠が電話をくださり、奥さんと2人で、僕と兄弟子の銀瓶兄さんを、師匠の行きつけの割烹料理屋に連れて行ってくれはったんです。おいしいコース料理をごちそうになってビール、それから日本酒、ワインを結構いただきました。
18時から2時間ぐらいで師匠と奥さんは帰らはりました。その時、「おまえら、まだ飲み足りんやろ」と、朝まで飲めるぐらいのお小遣いを銀瓶兄さんに渡してくださいました。それで、銀瓶兄さんの行きつけの焼き肉屋さんに繰り出したんです。ワインを2本飲みましたかねぇ。
深夜1時ごろに店を出てタクシーに乗ったとこまでは覚えています。でも、そこからはまったく記憶がない。朝6時に、娘に「ママー!! パパ、パンツはいてないー!!」とでっかい声で起こされました。パンツもズボンもTシャツも脱いでその辺に丸めて置いて、Tシャツの下に着てたタンクトップだけで寝てたんですよ。我が家は嫁はんと8歳の息子と5歳の娘の家族4人で川の字で寝てまして、子供はまだ小さいとはいえ教育上よろしくなかったな、と反省しました。
それに、コロナになってから、嫁はんに「飲んで帰っても足ぐらいは洗ってから寝て!」と厳命されてたんで、「マズイ、怒られる!!」と飛び起きました。
ところが、僕が泥酔しながらも、8000円もしたお気に入りのTシャツだけは、キチンと洗濯ネットに入れて洗濯機に入れていたもんやから、嫁はんは笑って許してくれて……ぎりぎりセーフでした(笑)。
いや、僕、記憶をなくすことってほぼないんですよ。気ィつかいやから、大勢で飲むのも好きなんですけど、一緒に飲んでる人がちゃんと楽しんでるか、気になって。だから、リラックスしたい時は一人酒です。
酒の味が好きですね。何でもいけます。料理に合わせて酒を選び、酒に合わせてグラスを使い分けてます。でも、家で飲むと、嫁はんが「自分で片付けるんやろなあ」と目で訴えているので、外で馴染みの店で飲むことが多いですね。キャンプに行って、たき火を見ながら飲むのも好きです。