映画「GOLDFISH」主演・永瀬正敏が語る“老いの演技”の葛藤「走るのは正直きつい(笑)」
80年代を駆け抜けた伝説のパンクバンド「亜無亜危異(アナーキー)」のギタリスト・藤沼伸一の初監督作品「GOLDFISH」(太秦配給)が3月31日から公開されます。自身のすべてをモチーフにしたという本作は、人生の折り返し地点を迎え、葛藤しながら居場所を求めて苦悩する男たちの物語。主人公・イチを演じた永瀬正敏さんに自身の“現在地”も踏まえ、話を聞きました。
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――イチは藤沼監督自身がモデルとなっていますが、監督とはどんな話をしましたか。撮影現場の雰囲気も教えてください。
永瀬正敏(以下、永瀬) 作品や演技について詳しく話した記憶はなくて、それよりも一緒にご飯を食べたり、ギターのピックをもらって使ったり、近くにいて監督の雰囲気を感じるようにしていました。撮影現場はめちゃくちゃ楽しくて、笑いが絶えなかったですね。バンドメンバー役のみなさんともくだらない話で盛り上がって、本当に昔からの知り合いのようでした。
――くすぶった思いを抱えるイチについてどう感じましたか。
永瀬 イチは30年ぶりにバンドを再結成しますが、若い頃のようにうまくいかなくてメンバーともすれ違う。そんな仲間との関係性はバンドマンに限らず、年をとって家庭や仕事など背負うものが増えた大人には共感できるところが多いですよね。