南海トラフ巨大地震の想定死者数は29.8万人…新たな「災害関連死」を避ける方法

ミャンマーとタイを襲ったマグニチュード7.7の地震で3500人を超える犠牲者が出ている。地震の発生は他人事ではなく、国は3月31日、南海トラフ巨大地震の最新被害想定を発表。全国の死者数は29万8000人と厳しいものとなった。そして今回新たに追加されたのが「災害関連死」という項目だ。
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これだけ防災・減災が呼びかけられながら、10年前の想定からほぼ変わらない悲しい結果に。
政府の中央防災会議の前回(2012年.13年)の想定死者は最大約32.3万人。建物の耐震化や海岸堤防、避難路の整備などで大幅に改善されるはずだったが、最新想定はわずか2.5万人減の最大約29.8万人。全壊焼失棟数も約235万棟で、これも前回の約238.6万棟とほぼ変化がなかった。逆に資産などの被害は13年の約214.2兆円から約270.3兆円に増えている。
この10年で確かに住宅の耐震化率は79%から90%に向上したが、いかんせんその10年で高齢者や要支援者も増えている。
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