「SWAのメンバーは創作の刺激になってますし、新作派の後輩たちには背中を押されてる」
弟子ができたことで、人間的に、芸的にも幅が出てきた。近年は新作落語だけでなく、古典落語を演じる機会が多くなったとか。
「独演会では新作と古典を1席ずつやるようにしてます。二刀流は、どちらもパワーがある昇太兄さんがお手本ですね。そういえば、円丈師匠の古典も面白かったですね」
■「闘う男・三遊亭円丈」の精神を受け継いで…
どうしても最後は円丈の話になる。
「師匠の口癖は、『これからは○○の時代だよ』でした。常に時代のことを考えていた。年を取ってからも持ち前のファイティングスピリッツが衰えず、SWA(創作話芸アソシエーション)を結成した時、昇太兄さんに、『どうして僕を入れないんだ』と迫ったんですから。世代の違う、円丈チルドレンの僕らを相手に、まだ闘おうとしてた」
「闘う男・三遊亭円丈」の精神は、彦いちも受け継いでいる。
「木久扇師匠、円丈師匠をはじめ、僕は周囲に恵まれました。SWAのメンバーは創作の刺激になってますし、新作派の後輩たちには背中を押されてる。全員が同志なんです」 (おわり)
(聞き手・吉川潮)